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説明台詞よ、さようなら。


「この記事は…マンガ家のやじまけんじが書いたものだと…!?おれみたいな、やじまと同じ新人作家やマンガ家志望には参考になるかもしれないな…!」

こんにちは、説明セリフで始まりました。
今日は編集さんに「説明台詞になってる」と言われた時の直し方について考えてみました。


説明セリフって、何?


読んでそのまま「何かを説明するために話してるセリフ」ですね。

本来物語であれば、僕たち読者はキャラクターのリアクションや口ぶり、周りの背景などからある程度「察して」状況や気持ちを理解しています。

例えば、マンガのワンシーン。

男が歩いてきて、そこに行列が出来たラーメン屋がある。
彼がしょっちゅう通っているラーメン屋だとする。
いつもは混んでないから、並んでることが不満だ。

それを表現するのに

「いつもは醤油ラーメンを食べて帰るけど、今日は珍しく並んでいるな…別のところにしようかな」

などと言ったらめちゃくちゃ説明的じゃないですか?


キャラクターは思考するとき前提となる「いつも」を説明しません。


「いつも」は改めて思考に上るまでもない当たり前だからです。

では、説明セリフではない場合どうなるのか?

本当に常連だったら
(ちっ…、わざわざ並ぶような味じゃねえだろ…空いてるから好きなのによぉ…)

とかのほうが自然なわけです。(言い方考え方はキャラによる)
キャラクターは前提を踏まえて、今の状況に対して何を感じているか、を話すわけです。


なので、状況、関係性が改めて直接的に「説明」されてしまうと「説明セリフ」と感じてしまう。

読者はキャラのセリフや、行動から「少しだけ察してわかる」ことが楽しいんだと思います。


でも説明セリフだと何がいけないんだっけ?

必ずしもいけないわけではないですが、小さなレベルで「没入」をさまたげて、シラケるからだと僕は考えています。

広告案件のマンガに面白くないものが多いのは、キャラクターが、日常生活では喋り得ない商品の情報を余分にしゃべるからです。
(広告は条件でもあったりするので仕方ない面もあるのですが)


どうやって説明セリフを直すのか


では、どうやって説明セリフだ、と指摘されたり気が付いたセリフを直すといいのでしょうか。

編集の佐渡島さんと打ち合わせをしていてそのことに大きな気づきがあったので書いておきます。

それは、セリフの抽象度を意識することです。

どういうことかというと、

例えばセリフとは別にナレーションというものがあると思いますが、あれは物語の時間軸(次元)とは違う視点から語られるものです。

「その3日後…彼はこの時ラーメンを食べなかったことを後悔することになる…」
とかいうナレーションがあったとします。(どんな状況だ)

このナレーションはすでに3日後の世界を知っているという前提で
語られるわけですから、物語の時間軸に沿って生きているキャラから発せられたセリフではないわけです。
誰が言ってるのかというと、作者か過去を俯瞰してみている登場人物の声ですよね。物語の外側から発せられる声。

セリフは常に、その場にいるキャラクターのその時の気持ちを喋るわけです。だから、状況を俯瞰したセリフや、そのキャラにとって当たり前のことを改めてしゃべるとおかしい。

セリフとナレーションの違い。

〇セリフ
具体的
・個人的
・主観的な視点
・その瞬間にキャラが感じていることを伝えられる

〇ナレーション
抽象的
・一般的
・俯瞰した視点
・長い時間を圧縮して伝えられる


セリフが抽象的なことを話している、時は
物語を進めようとしてキャラをしゃべらせてしまっている。
と思って直してもいいかもしれないです。

なのでその場で当事者がわからないことはナレーションで語る。
ただ、ナレーションは物語を俯瞰して語られる言葉ですから、
頻繁に使うと物語への没入が損なわれてしまうので
極力キャラのセリフと動きでわかるのがいいと僕は思っています。



ここまで書いたんですが、結構この問題難しくてまとめきれませんでした。笑
「私はこう考えてるよ!」っていうのがあったら教えてくれたら嬉しいです。

説明セリフになってる時には、僕も抽象度を意識して直してみようと思います。またね!

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コメント (1)
説明ゼリフの直し方
ごそっと取っちゃってみる
なくて通るなら、それは説明ゼリフ
あなたは内容も先も知ってるから、
先を知らない人に読んで貰うこと
その人がわかるかわからないかを目安に自分なりにちょっとだけ戻してみる
編集さんもへぼなひとは、
もうちょっと説明したほうが
とか言うのでご用心
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